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奈良県メールマガジン
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      ┃大┃仏┃さ┃ん┃の┃つ┃ぶ┃よ┃り┃情┃報┃
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    @  ・  @   奈良県からのメールマガジン第162号です。
     ┃ ┃    毎月7日、17日、27日(ななのつく日)
    0   0      最新情報をお届けします。
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       ■   ■■■■     ●VOL.162(2005.11.27)
     ■■    ■■■■    ●発行者:奈良県広報広聴課
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  も  く  じ
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   ■鹿くんのふ〜んなるほど…… 奈良墨あれこれ 
   ■奈良県からのニュース……… わくわく冬あそびキャンプ ほか
   ■地域の話題…………………… 當麻曼荼羅「写仏の会」 ほか
   ■季節の伝統行事・特別開扉… 東大寺の良弁僧正坐像開扉 ほか
   ■花だより……………………… 奈良公園の紅葉 ほか
   ■ホームページ新着情報
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    は  じ  め  に
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 今年も残すところ1カ月あまり。
 つい先日も、あるデパートが高級おせち料理の予約を受け付けを
 開始したところ、予約殺到!というニュースを見かけました。
 もうそろそろ年末年始の予定を立てないといけませんね。

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    ¥    ¥         鹿くんのふ〜んなるほど。。。
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     ┃  ┃              知られざる奈良の魅力を語る
   “   ”/          今回は「奈良墨あれこれ」の巻
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 奈良市内でも霜がみられる季節になったけど、寒くなると始まるのが墨
 づくりなんだ。奈良の伝統産業「奈良墨」は10月中頃から年をまたい
 で4月下旬までの寒期につくられているんだよ。

 奈良の墨の生産量は全国の95%。その数、年間300万丁というから
 すごいね。「丁(ちょう)」というのは墨を数える単位なんだ。白い豆
 腐も1丁、2丁って数えるけど、黒い墨もそれと同じなのがおもしろい
 よね。

 ところで、墨って何でできてるか知ってる?

 墨は、煤(すす)と膠(にかわ)と少しの香料でできているんだ。あの
 黒い色は煤を固めたもの。煤だけじゃ書いてもすぐ落ちてしまうので、
 それを紙に定着させるのが膠なんだ。香料は膠の癖のあるにおいを消し
 て、書く人の気持ちを落ち着かせる役目を果たすんだ。で、材料の膠は
 高温多湿だと、とてもくさりやすいものなんだ。そんな理由で墨づくり
 は寒い時期に行われるんだよ。

 そんな墨の起源は古くって、紀元前1,500年頃、中国の殷(いん)
  の時代までさかのぼる。日本に伝えられたのは大陸との交易が盛んにな
 った7世紀頃。「大宝律令」には「造墨手」という墨をつくる役職が置
 かれた記録も残っているんだ。その後、奈良時代になると、仏教も盛ん
 になって写経が熱心に行われたから、墨はとっても貴重なものだったん
 だって。

 この時代の墨は松煙墨といって松ヤニたっぷりの松を燃やして障子や天
 井についた煤を掃き集めてつくったものだったんだ。奈良墨は油煙墨(ゆ
 えんぼく)といって菜種、胡麻、椿などからとった油を燃した煤を材料
 に使うんだけど、初めて油煙墨がつくられたのはおよそ600年前。奈
 良・興福寺二諦坊(にたいぼう)でつくられたのが最初だったんだよ。

 奈良では寺社を中心に墨をつくり続けていたからね。なかでも興福寺は
 その中心的存在だったんだ。灯明に使う胡麻油も扱っていたから、中国
 から油煙墨の製法が伝えられるやいなや、いとも簡単につくったらしい
 よ。油煙墨は松煙墨と品質が格段に違うから、あっという間に全国的に
 知られるようになったんだって。
 
 奈良の墨がさらに有名になったのは織田信長の天下統一以降。寺社の力
 は弱くなったけど、墨工が墨屋として店を構えて商売をするようになっ
 たんだ。胡麻油より油煙墨に適した菜種油が日明貿易で簡単に入手でき
 るようになって奈良墨はこれまで以上に大量につくられるようになった
 んだ。

 江戸時代中頃、紀伊徳川家のテコ入れで松煤墨である紀州藤白墨が幕府
 御用達墨となって、一時窮地に立たされることはあったけど、奈良墨が
 シェアNo.1の地位を明け渡すようなことはなかったんだ。

 そんな奈良墨だったんだけど、明治以降は困難の連続。中国の良質の墨
 が輸入されたり、安い鉱物油煙墨が使われるようになったり、また、戦
 争中は菜種油も入手困難になっていったんだ。

 そんな時代も乗り越えて、いまに至る奈良墨。伝統の装飾がほどこされ
 た美しい逸品は思わず使うのが惜しくなってしまうほど。

 同じく奈良の伝統工芸品・奈良筆を使って文字を書くと、心が洗われる
 ような気持ちになるよ。




奈良県 知事公室 広報広聴課 広報紙係
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